みなさんごきげんよう\(^^)/
前回の記事では、行動を学習する原理についてABAそしてアドラー心理学の観点から見ていきました。今回はいかにして行動が『消去』されるのかについて考えていきたいと思います。
『消去』とは特定の行動の頻度が減少することを指します。例えば、こんな例はどうでしょう。
パソコンを操作していて、画面がフリーズしてしまった。キーボードを押しても反応がない。さらにキーボードを連打したが、それでも改善しないので、強制終了した。
あると思います。ここでキーボードの連打という行動に焦点を当てて見ましょう。キーボードを連打して改善することもあるかもしれませんが、永遠にその行動を続けることはないはずです。どこかのタイミングでその行動をやめるときがきます。
さて、今日のテーマに立ち返りましょう。どのように行動が『消去』されるのか。前回に続いてABC分析で先の例を考えてみましょう。
A:パソコンがフリーズした
B:キーボードを連打した
C:改善しなかった
このような分析ができます。Aは行動の前の状況、Bは行動、Cは行動の結果です。つまり、行動の結果として良いことが起こらなかったということが言えます。これが行動が消去される仕組みです。
この仕組みを子育てのなかで活かすとしたらどのような場面が考えられるでしょうか。例えば、お店で「買って買って!!」と泣き叫んでかんしゃくを起こす子どもがいたとします。この場面で親が大声で叱れば、子どもの行動に対して良くない結果をもたらし、かんしゃくという行動を消去できるでしょうか。
A:買って欲しいものがあった
B:泣き叫んでかんしゃくを起こした
C:親に大声で叱られた
これによって一時的にその場はおさめられることもあるでしょう。しかし、子どもはなかなか簡単にはいきません。例え、叱るという行為であっても、子どもは親の注意を引くことができているという点で、かんしゃくを強化することがあります。親が見ているから、かんしゃくを続けるのです。
それでは、どうすると良いでしょうか。かんしゃくの行動の機能として、おもちゃを買ってもらいたいという要求、そして親の注意を引くという2つの機能を予測できます。
1つは、かんしゃくを起こしても買ってもらえないという結果をつける。もう1つはかんしゃくを起こしても親は無視しているという結果をつけてみたらどうでしょう。子どものかんしゃくという行動は機能する意味を失います。
ここで重要なのは、かんしゃくの変わりとなる適切な行動を促すということです。例えば、落ち着いて「これを買って欲しい」と伝えることができたら買うなどです。
大事なことは、不適切な行動を減らすと同時に、適切な行動を促すということです。そのためには、やはり行動の機能というところをしっかり見極める必要があるかと思います。
次回は行動の機能をテーマに考えていけたらと思います。
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