ご飯を食べない子

こんな困りごとを聞いたことがある。
『息子は私の作ったご飯をほとんど食べないくせに、保育園ではおかわりするほど食べているんです』
これは『私の作ったご飯を食べないことが問題だ』という語り口だと思う。
あるいは語り口を変えると『息子は私の作ったご飯はほとんど食べないけど、保育園ではおかわりするほど食べてくれているんです』と語ることができる。
つまりは、問題を問題たらしめる語り口があるのだ。

さて、なぜこのような語り口になるかというと、『私』に『私の作ったご飯を食べることは良い』『私の作ったご飯を食べないことは良くない』という価値判断があるからだと思う。
したがって、この価値判断でもって『息子』を裁いているのだ。
確かに、せっかく作ったものを食べてくれないことは残念なことだと思う。

しかしながら、『息子』は『私』の作ったご飯を食べるために産まれてきたのではないし、生きてるのではない。
もちろん『私』の期待に応えなければいけない存在ではない。

では、どうなったら良いのかというと『息子』が生きていくために必要な栄養を摂取できていたら良いのではないだろうか。
そのために『私』ができることは、『私』の作ったものを食べてもらうこと以外にあるかもしれない。
こうした『私』と『息子』の共通の目標を思い出せると、『私』の価値判断で『息子』を裁かずに済むし、問題を問題たらしめる語り口を選ばなくて済むと思う。

相手を自分の価値観で裁くことなく、共通の目標のために何ができるだろうと考えて行動するという協力的な構えが、『私』と『息子』を結ぶと思う。

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