過去なんて存在しないのだから過去にとらわれる必要はない

みなさんごきげんよう(^-^)

みなさんは、過去に戻りたいと考えたことはありますか?私は、バックトゥザフューチャーという映画が好きで、これまで何度も鑑賞してきました。言わずもがな知られた作品ですが、簡単に内容に触れると、主人公のマーティがタイムマシンに乗って過去や未来に行き、過去に起こった出来事や未来でこれから起こる良くないことを改変するといった話になっています。



自分の都合の良いように過去や未来を書き換えることができたらどれだけ楽でしょうか。しかし、実際にはそんなことはできません。

さて、今日はアドラー心理学の観点から、『過去』の捉え方について考えていきたいと思います。

いきなりですが、第一にアドラー心理学において『過去』は存在しません。あるのは、ただの主観的な意味づけであるとされています。過去に何があったかということよりも、どう解釈したかということが重要なポイントです。

私たちは過去の経験に縛られてしまいがちです。過去の出来事から受ける影響はとても強いかもしれません。しかしながら、アドラー心理学における目的論で考えると、いまの目的のために主観的に解釈した過去の出来事を持ちだしていると捉えることができます。

例えば、学級委員長や部活の部長を務めてきた経験があるから、大人になった今も職場でリーダーシップを発揮できているといった事例を見てみましょう。これを原因論で考えると、過去に委員長や部長を経験したことが原因として挙げられ、そして結果として今リーダーシップを発揮しているという因果律が成り立ちます。つまり、過去の経験に突き動かされているということが言えます。

目的論で考えてみましょう。いまリーダーシップを発揮することが目的で、そのために過去の経験を必要としていると捉えることができます。あくまでも、目的が先にあって、過去の経験は後付けなのです。そしてその過去の経験は主観的な意味づけであり、この例では過去のうまくいった記憶を持ち出していると言えます。

他の例でも考えてみましょう。過去のいじめられた経験から、家にひきこもって他者との関わりを避けているという例です。これを目的論で考えると、いまの目的は他者との関わりを回避することであり、そのためにいじめられた過去の記憶を持ち出し、必要としていると言えます。

さて、いじめられた経験があるから、ひきこもっているという原因論的な考え方と、ひきこもるために過去の経験を必要としているという目的論的な考え方では、どちらが人生において有用でしょうか。

私は後者であると思います。アドラー心理学では、人の変容可能性を追求し、変えることのできない過去の出来事よりも、今の目的に焦点を当てます。人は常に目的に沿って生きていると考えるのです。一方で、原因論の立場から人生を見ると、過去の出来事が、今この瞬間やこれからの未来を決定してしまうことになり、人は変われるという可能性を否定することにもなりかねません。

したがって、もし自分を変えたいという思いがあるのであれば、原因論的な考えや過去へのこだわりから脱却し、目的論の立場から今どうしたいのか、これからどうするのかという目的を考えていくことが必要なのではないでしょうか。

変えられない過去に絶望する必要はありません。過去なんて存在せず、あるのは今この瞬間だけなのです。

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