おはようございます。
ブログ再開から12日目です。
一昨日、昨日は娘と私のやりとりを書きましたが、今日も1つ思い出したことを書きたいと思います。
今日のテーマは『褒める』ことです。
私は基本的に子どもを褒めないし叱らない子育てを行っています。
なぜなら、褒める叱るというのはアドラー心理学で言う『縦の関係』もしくは『競合的な構え』であり、子どもを勇気づけるどころか勇気をくじき臆病にしてしまうからです。
ということで詳しく考えていきましょう!
【一般的に褒めることは良いことだが…】
一昨日、昨日と同じエピソードになりますが…
娘がYoutubeを寝る前に見ていて、私が「そろそろ終わりだよ」と言ってYoutubeを消したときの出来事です。
娘はそれに泣いて抵抗し、私は「ほんとはまだ見たいよね」などと本人の気持ちを代弁し、それ以外はなにもせずに見守りました。
すると娘は少しすると泣き止み、ベッドに向かいました。
アドラー心理学を実践する前の私であればここで大袈裟に娘を褒めたかもしれません。
「Youtube見るのやめて偉いね!!」と言ってなにかご褒美をあげられないかとか考えていたかもしれません。
こういった褒める子育てもありだとは思います。
否定はしませんし、行動科学的に見ても褒めると人は伸びるんです。
【関係の築き方を教える】
ではなぜ私が褒めないかというと、娘と横の関係を築き続けるためです。
横の関係とは、対等であり他者は協力する仲間であるという関係です。
一方で縦の関係とは、上下の関係であり他者は競合する敵であるという関係です。
大人は子どもを動かす方法として『褒める』ことを使います。
褒めることである特定の行動を増やそうとしたり、褒められるために良いことをするように仕向けたりするわけです。
『叱る』ということも同様です。
叱ることである特定の行動を減らそうとしたり、叱られないために悪いことをしないように仕向ける。
実に操作的な関係だと思いませんか。
こうして大人と子どもの間には、上下の関係ができ、人の言いなりになる関係ができる。
そして子どもはその関係の作り方を学び、他の誰かに実践することになります。
【褒められたい叱られたくないのは他者への依存】
すると人々は、誰かに褒められたい、叱られたくないということが行動の基準になります。
褒められればやるし、褒められなければやらない。
叱られればやらないし、叱られないのならやる。
行動面で適切な行動は増えるでしょうが、これは決して自立ではない。
人の評価に対する依存であり、人の評価を気にする臆病な生き方です。
さらに、人は他のだれよりも肯定的評価を得たいし、否定的評価を避けたくなる。
つまり、人と競合するわけです。
あの人は私より上だ、この人は私より下だと人間関係を縦の軸で見て、他の人を見下し他者を蹴落とそうとするということ。
【小さなもつれが大きなもつれに】
ある競合的な対人関係はより大きく広まります。
私とあなたの二者から始まる競合的な関係はやがて家族間の競合に、さらには地域間の競合に、国家間の競合につながっていきます。
競合的な関係の作り方は、極論でいうと戦争に至るということなんです。
大袈裟な話に聞こえるかもしれませんが…
大きなもつれを直すには、小さなもつれを直すことしかありません。
つまり、目の前にいる誰かとの関係を見直すということ。
その1つとして私は娘との関係の築き方に細心の注意を払っているわけです。
【褒めずにどうしたらいい?】
では、縦ではなく横の関係ではどんな関わりをするのか。
D・カーネギーの『人を動かす』では、お世辞ではなく心からの賞賛をという話が出てきましたがこれは参考になりそうだと思いました。
褒めることのなにが問題かというと、お世辞化することだと思います。
ほんとうに思ってないことを言うとか、事実に対して過大な評価をすることが問題だと私は思います。
たとえばテストで70点採った子どもに対して、「すごいね!やればできるじゃん!天才!!」と言ったとしましょう。
70点採ったことに対して100点採ったときのようなこの過大な評価は、子どももドン引きに違いありません。
重要なのは事実を見ること。
テストの例で言えばこんなふうに声をかけることができます。
「70点採れたんだね!そのためにどんな努力をしたの?」と。
70点という点数がその人にとってどんな価値があるかはわかりませんが、70点という事実を認めてそのプロセスに注目することで、勇気づけることができます。
娘と私の例に巻き戻りますが、Youtubeを見ることをあきらめて、ベッドに向かう娘に対しては、次のように声をかけることができます。
「わかってくれてありがとう」「(寝るための)協力してくれてありがとう」と。
お世辞ではなく、「助かったよ」というメッセージを伝えるということです。
このように横の関係では過大な評価をするのではなく事実を伝えること、感謝を伝えることが重要だと思います。
ただし、感謝を伝えることも操作的な意味をもつと縦の関係になります。
「○○してくれてありがとう!」と思ってもいないことを言うのは、お世辞と一緒です。
なので、このひとはどんな強みがあって、それをみんなのためにどうしてくれているのだろうという良い意図があることに注目することが必要です。
さて、今日の話をまとめていきます。
『褒める』行為は、人を競合させ、評価に対して臆病にする。
一方で、その人のもつ強みや良い意図に注目して、感謝を伝えることは人を協力的にし、人との関わりに勇気をもてるということでした。
ということで、今日はアドラー心理学の観点から見た『褒める』ということを紹介しました!
ではまた明日!