みなさんごきげんよう(^^)/
前回は子どもの関心ごとに関心を向けることをテーマに、『ナレーション』と『くりかえし』というスキルをご紹介しました。この2つのスキルは、発達障がいのあるお子さんへのセラピーの中でも取り入れられていることがあり、重要なスキルと言えます。
今回はさらに2つのポイントを紹介したいと思います。今日ご紹介するのは『質問しない』『命令しない』スキルになります。子どものリードに従って大人も一緒に遊ぶということを前回の記事で書きましたが、その中で上記の2つのポイントを加えると、より子どもを尊重した関わりができます。
まず『質問しない』ということについてです。あくまでも、子どものリードに従って遊ぶという場面で考えていただけたらと思います。例としてこんな場面を想像してみましょう。子どもがクレヨンで絵を描いています。一見、何を描いているかわかりません。さて、このような場面があったとして、大人は「何を描いているの?」とか「次は何を描くのかな?」などの質問が自然と会話としてでてくるのではないでしょうか。
ここで、質問の代わりに次のように『ナレーション』をしてみましょう。「たかしくんはクレヨンで絵を描いているね」「赤いクレヨンでかいているんだね」などのようにです。確かに、質問は会話のやりとりには必要なことかもしれませんが、先にも述べたように子どものリードに従い、ありのままの子どもに、そしてその遊びに関心をよせることが重要です。
次に、『命令しない』ということについてですが、質問しないことと同じ目的になります。子どもとの遊びの中で、例えば「たかしくんそのおもちゃ貸して」と言ったり、「ねこの絵描いて見せて」などの命令の声掛けは控えてみましょう。また、「○○したらいいよ」というようにやや柔らかい表現であっても、意味合いとしては命令になります。さらに、「赤いクレヨンより青で描いた方がいいよ」などと言うことも、間接的な命令であり、批判的な態度にもつながりかねません。
1日の中で子どもと遊ぶ機会があれば、5分や10分でもスキルを使って関わってみると、良いかもしれません。スモールステップで、1分間だけ集中するということでも良いと思います。子どもとどのように遊んだらよいか、どのような声掛けをしたらよいかということについて、悩まれているというお母さん、お父さんは少なくありません。しかし、実際そのようなことを知る場面がなかったというだけで、何ら普通のことだと思います。
最後にまとめますが、子どもとの遊びの中で、子どもの行動を実況中継する『ナレーション』、そして子どもの言葉を模倣する『くりかえし』の声掛けを増やし、一方で『質問』や『命令』を減らすことが、子どもを尊重した関わりと言えるでしょう。ぜひ、目の前にいるお子さんと今ここから始めてみてはいかがでしょうか。
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