『人を動かす』前に自分を動かす

おはようございます!
ブログ再開から16日目の朝です!
今日は他者と協力的な関係を築くための考え方についてアドラー心理学の要素を取り入れながら書いていきます。
キーワードは『競合的な構え』『協力的な構え』です!

【疑念は終わりのはじまり…】
私は通勤中にオーディオブック(聴く本)でD・カーネギーの『人を動かす』という本を聴いています。
本の序盤ではこのブログで紹介しているアドラー心理学の創始者であるアルフレッド・アドラーの思想にも触れられており、非常に共感できる内容でした。
しかし、あるときその内容が頭に入らなくなってきたことに気づきました。
そのきっかけは、D・カーネギーの主張に疑念を抱いたからです…

男の子の表情のイラスト「目がハート・疑問・居眠り・照れ」 | かわいいフリー素材集 いらすとや

【自己執着⇔共同体感覚】
ふと、「この著者の主張は自己執着的じゃね!?」と考えが浮かんだんです。
『人を動かす』という本は、良好なコミュニケーションの方法を具体的に教えてくれます。
実践しやすいレベルで語られていて、読者もまさに『動かされる』内容です。
でも、そこに利己的すぎる意図があるんじゃないかと不満に思ったわけです。
結局は自分のためだけに人をいいようにコントロールする方法では!?と。
アドラー心理学では、他者にとってどういうことかを無視して、自分がだけが好きなようにすることを自己執着といいます。
自己執着の反対を共同体感覚といいます。
共同体感覚とは、「これはみんなにとってどういうことだろうか、みんなが幸せになるためには私は何をすればいいだろうかと考えて行動すること」(野田,2014)というように定義されています。
アドラー心理学の目標は個々の共同体感覚を育成することにあります。
つまり、『人を動かす』の内容は自己執着的で、共同体感覚に反する内容だと感じたわけです。

【正しいのは片方だけか】
こうして疑念を抱くと、とても関心が薄れてしまうことに気づきました。
この著者の言っている内容は共同体感覚に反する。
つまり、自分の正しいと思っていることに反する。
自分が正しいと思うと、一方の相手は正しくないということになる。
そして、この著者の言うことは間違っていると思い込むわけなんです。
相手が間違っていると思うと、なかなか関心を取り戻すのが難しいものですね…

ボールを比較している人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

【関心を再び向ける】
1度良い悪いの判断をすると、その後もどうせ悪いと一般化してしまいます。
この章で著者が言っていることはおかしい、次の章でもそうに違いないと。
このバイアスでまるで新鮮な気持ちは失われますね…
で、ここからが本題です。
私はこの著者に対する関心を失いました。
しかし、どうしたらもう一度関心を向けられるかということを確かめる良い機会だと捉えたんです。

アドラー心理学では、相手が間違っている自分は正しいと考えて、相手を裁くような態度を取ることを『競合的な構え』と呼びます。
一方で、その反対を『協力的な構え』と呼びます。
私は『人を動かす』を読み進めるなかで、ある疑念をきっかけに『協力的な構え』から『競合的な構え』へと構えを変えたわけです。
そしてもう一度それを『協力的な構え』に変えてみたい。
そのためにできることは、パーソナルストレングスを再発見することです。
パーソナルストレングスとはそのひとのなかの相対的な強み。
この著者の強みはどんなことだろう?この著者の主張にはどんな良い意図があるだろう?と考えてみて、実際に書き出したりすると、あら不思議。
『競合的な構え』から『協力的な構え』に変わっているんです!

と、実際にはこんなふうにうまくは変わりませんが、パーソナルストレングスを見つけ続けようとする姿勢は、『協力的な構え』に変わる秘訣だと思います。
人は大抵の場合、自分が正しい、相手は間違っていると思い込んでいます。
いつでも『競合的な構え』なんです。
なぜ競合的な構えでいるかというと、周りが競合的な構えだから。
自分の正しさを皆が主張しているからです。
すると互いに互いの話には関心をもてなくなる。
相手の話を聴こうとしなくなるわけです。
表面的には聞いていても、内容は聴いていない。
聞こえている程度です。

よく聞いている人のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

【誰がはじめるのか】
相手が競合的であれば、自分も協力的にはなれないと思うのが人間の心理だと思います。
相手が変わらなきゃ自分も変わらないと。
でもそれは相手も思っていること。
相手も私が変わることを望んでいる。
自分が先に変わることを選べば、なんだか負けた気がしたりします。
しかしそうではなく、競争の舞台から降りるだけなんです。
どちらが正しい悪いの舞台から降りるということ。
相手はどうかわからないけど、自分が先に協力的な構えをもつ勇気をだす。
アドラー心理学でいう勇気とは、共同体感覚に基づいて行動するという意味です。
言い換えると、他者への関心を持って行動するという意味です。
さて、誰がまず協力的な構えを始めるか…

決心した人のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

【全く同じことなんて起きない】
守株待兎(しゅしゅたいと)という言葉を知っているでしょうか。
この言葉は『嫌われる勇気』の著者である岸見先生が講演会で使っていて、その意味を知りました。
ざっくり言うと、偶然のできごとに執着してまたそれが起こると思い込むことです。
私もオーディオブックを聴いていてそうでしたが、この章で言っている主張は間違っていると思うと、次の章も間違っていると思ってしまいます。
これは日常的な人間関係にも言えることかもしれません。
この人になにを言ってもわからない、いつもそうだ。などという考えがあったら、守株待兎の意味を思い出してみてはどうでしょう。
昨日はわかってくれなかったけど、今日はそうとは限らないと考えてみるということです。
哲学者のヘラクレイトスは「同じ川に二度と入ることはできない」という言葉を残しました。
刻々と川の流れや水質は変わっているし、そこに入る自分も刻々と変化しているわけです。
そう考えると、日々の人との出会いや関係もそうかもしれません。
「同じ人と二度と出会うことはできない」と言い換えてみると、毎日が新しい発見になりそうです。
新しい出会いと捉えて、新しいパーソナルストレングスを探していくという姿勢が、私の協力的な構えを築いていくかもしれません。

心機一転」のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

ということで、今日は他者に再び関心を向ける考え方について書いてみました。実践するのは難しいけど、行動を変えなければ認知は変わらないので、日々実践していきたいと思います!
さいごに、D・カーネギーの『人を動かす』にはたくさんの学びがあると信じてます!
ではまた明日!

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