みなさんごきげんよう( `ー´)ノ
今日のテーマはABAにおける『強化と弱化』です。行動の増減を理解するうえで、重要なポイントとなると思います。それでは詳しく見ていきましょう。
まず、『強化』とは、行動の頻度が増えることを指します。一方で『弱化』とは、行動の頻度が減ることを指します。さらに、強化は『正の強化』『負の強化』、弱化も同様に『正の弱化』『負の弱化』に分類することができます。
それぞれどのようなことを言うのか、例を見ながら順に考えていきたいと思います。
- 【正の強化】:行動の結果、良いことがあって行動が増える
- たかしくんは学校から帰ってきて自発的に宿題を始めた。母はそれを見て、「偉いね」と声を掛けた。たかしくんは、それ以降も宿題を自発的に行うようになった。
- 【負の強化】:行動の結果、嫌なことが取り除かれて行動が増える
- 学校から帰ってきたたかしくんに、母が「家のお手伝いしてくれたら、今日は勉強しなくていいよ」と伝えた。たかしくんは、家のお手伝いをすることが増えた。
- 【正の弱化】:行動の結果、嫌なことがあって行動が減る
- たかしくんは、学校から帰ってゲームで遊んでいた。母はそれを見て、「宿題しなさい!」と言ってたかしくんを叩いた。それ以降、たかしくんは母の前でゲームをしなくなった。
- 【負の弱化】:行動の結果、好きなことが取り除かれ、行動が減る
- たかしくんは、教科書にいたずら書きをした。母がそれを見つけて、ゲームを没収した。これ以降、たかしくんはいたずら書きをしなくなった。
いずれの方法でも行動に変化を起こせる可能性があります。しかしながら、正の弱化の例のような罰を与える関わりであると、子どもと大人の関係性を壊しかねません。また、してほしくない行動を減らせたとしても、してほしい行動が増えるとは限りません。
そこで、おすすめしたいのが正の強化です。いわゆる、褒めて伸ばすということです。正の強化を意識した関わりでは、正の弱化に比べて、子どもとの関係を崩すというリスクも低いでしょう。
尚、正の強化が行動を増やしやすいというのは研究においても認められていることです。子どもの望ましい行動やできていることに、より注目し、それらの行動をしたときにいかに良い結果(強化子)を伴わせることができるかが重要になります。
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